桜への思い

良寛和尚の歌と桜

 いつも衣の懐に手毬やおはじきを入れて、子供らと無邪気に遊んでいたというご存知の「良寛和尚」が、桜を詠った一首で、句碑が出身地の新潟県燕市にあります。読んだ通りで『さあ~子供達よ、山のあたりに行こう、桜を見に。明日見に行くと言ったらならば、花が散ってしまうだろう。』という意味ですね。良寛さんは、子供をこよなく愛し、よく一緒に遊んでいたので、子供達とのエピソードが多く残されています。有名な逸話の一つに、「かくれんぼで子供たちと遊んでいた時、日が暮れて子供達が帰ったあとも隠れ続けていた」とか「高名な方から書の依頼を断っていた良寛さんですが、ある日、子供に凧揚げの凧に文字を書いて欲しいと頼まれた時は、喜んで書いた」という話が残されています。この時書いたのが『天上大風』という文字で、書を嗜んでいる方にはご存知の名書です。昨年の桜の時期にも良寛さんの『散る桜 残る桜も 散る桜』という歌を引用しましたが、これは良寛さんの辞世の句とも言われていて、禅の世界を垣間見るようです。若かりし頃に良寛和尚の故郷を訪ねたことがふと思い起こされます。


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