春告げる山野草達

アオハナキクザイチゲ

 アネモノ(一輪草)属の仲間は、アズマイチゲ、ハクサンイチゲ、イチリンソウなどの多くの仲間が自生しています。キクザイチゲは、日本の固有種で、近畿地方より北の落葉広葉樹林の明るい林床や林縁にしていますが、東北地方では、畑の畦道でもみられるようです。早春に目を出し、他の宿根草や樹木が葉を展開する前に花をつけ、初夏には姿を消すという典型的な春の妖精と呼ばれている植物です。これら妖精達が咲いていた場所を後で訪ねると、見事なくらい痕跡が残っていないのです。普通は枯れた残さが長く残っていますが、完全犯罪よろしく何もないのです。キクザイチゲなどの春の妖精達は、わずかな期間しか地上に姿を見せないため、形を成す植物繊維をしっかり作っている暇が内容です。それで春の水をたらふく吸い込んで姿を成し、ほんの一瞬に命の輝きを見せると、なごり雪のように消えてしまうというのです。今年も妖精達が現れています。

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