藤の花

藤の花

            夏にこそ 咲きかかりけれ 藤の花 松にとのみぞ 思ひけるかな  (源重之)

このような歌が詠まれた背景を調べると、藤は蔓性植物ですので何かに絡んで生育します。今では山などに自生している山ふじ以外は、藤棚に仕立てられるのは一般的に見られる光景です。しかし、昔は藤の棚仕立てはありませんので、庭の松の木に絡ませて生育していたのです。この「松にかかる藤」は和歌だけでなく、屏風絵に添える屏風歌として多く詠まれています。常磐の松に位い人臣の世を極めたとされる藤原氏の象徴でもある藤が詠まれていることから、祝賀の意味もあるといわれています。

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