2020/05/19
塩船観音寺のツツジ


多摩地区のツツジの名所として名高い塩船観音は「大悲山塩船観音寺」が正式名称となっています。塩船とは、周囲の地形が小高い丘に囲まれ、谷の形が舟の形に似ており、仏が衆生を救おうとする大きな願いの舟である『弘誓の舟』に擬えて塩船と名付けられたそうです。また、花の寺としても有名で、特にツツジは檀徒の奉仕によって全山躑躅に覆われている見事さです。今年3月、当寺の本尊「十一面千手観音立像」と眷属「二十八部衆立像」が国指定重要文化財として認定されました。選考理由は、鎌倉時代の関東(坂東)の地における「快慶」の一門に連なる仏師の動向を知る上で貴重な仏像群であるという評価がなされたことによります。
(注)『弘誓の舟』(ぐせいのふね)....生死の苦海を渡って涅槃(ねはん)の彼岸に至らせる仏菩薩の救いを、船が人を渡すのに例えた表現。
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