鬼女紅葉伝説のふるさとを訪ねて

水芭蕉 鬼無里水生植物園

日本有数のミズバショウ群生地である「鬼無里・奥裾花自然園」を訪れたのは3年前の5月の頭であった。雪解けとともに7ヘクタールの広大な湿原に咲き誇る81万本のミズバショウの、白い妖精を思わせる穏やかで優雅な風情は、今も忘れられない景色として記憶に残っています。今は市町村合併によって長野市に併合されていますが、以前は『鬼無里村』と呼ばれていました。ノーベル文学賞受賞者の川端康成は、鬼女紅葉伝説に興味を抱き、昭和11年に当地を訪れたそうです。松巌寺と言うお寺に文学碑が残されていて、その碑陰には鬼無里を訪れたことを記した小説「牧歌」の一節を刻み、碑文にはノーベル賞受賞記念講演「美しい日本と私」の冒頭で引用した道元の和歌が川端の自筆で刻まれています。


    春は花 夏ほととぎす

    秋は月 冬雪さえて

    冷(すず)しかりけり





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No title

水芭蕉の群生は一度見てみたい風景です。まさに雪解け水に咲く白い妖精ですね。

No title

葉月さん

 戸隠の植物園や飯綱高原の牟礼というところは比較的簡単に行ける群生地です。鬼無里はちょっと大変な場所にあります。
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